『よい移民』は、インドやジャマイカ、マレーシア、ナイジェリアといった旧植民地出身の「移民」の子孫としてイギリスで生きる21人の書き手たちが、家族の歴史や自身の生い立ち、日常生活や仕事現場で直面する偏見や差別などを、知性とユーモアあふれる文章で巧みに綴ったエッセイ集。
本書の出版経緯や刊行後の大きな反響、そして個々の物語の内容を紹介しながら、浅黒い肌や異国風の名前を持った「イギリス人」たちが置かれている境遇、メディア上での多様性の表象の問題、人種差別とジェンダー差別の絡まり合い、職業や役割を限定する人種的ステレオタイプなどなど、移民社会イギリスで生きる21人の声を通じて浮かび上がってくる数々の問題について、参加者のみなさんと一緒に考るイベント。
本書に収められた21の物語は、「移民社会化」が進む日本、いや、もうずっと以前からそうであったはずの日本の状況を見つめ直す手がかりにもなってくれるはずだ。