本展覧会でご紹介する一連のドローイングは、レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチの上に描かれている。
これらの作品は、時にレオナルドのスケッチのアイデアを拡張したり、新しいひねりを加えたり、元のスケッチを単に再生紙として使用したりしている。展覧会の「In Leonardoʼs shoes」というタイトルは、「in 〇〇ʼsshoes」という慣用句から来ている。
直訳してしまうと、「〇〇の靴の中」だが、この慣用句の意味は「〇〇と同じ立場[境遇・地位]に身を置いて(みれば)」となる。
レオナルドはいつもアルチョムの最大のインスピレーションの源の1つであり、この夏、イタリアのトレビソでのアートレジデンス滞在中に、彼はレオナルドの技術的なドローイングが載っている古い本を購入した。
そして彼は偉大な巨匠の思考に想いを馳せ、自らの作品制作へと取り掛かった。アルチョムによると、彼はこのプロジェクトに取り組んでいる間、多くの楽しみを享受し、しばしば神聖なインスピレーションを感じていた。
集中と献身を求める彼にとって、それは素晴らしい学びの体験であると同時に、レオナルドの心を覗くことが出来る報酬でもあった。
時々、アルチョムは、まるで偉大な巨人の肩の上に立っているようにさえ感じた。
巨人の肩に立つ小人のメタファー(ラテン語:nanos gigantum humeris insidentes)は、「以前の発見に基づいて真実を発見する」という意味を表している。[1]この概念は12世紀にまで遡り、シャルトルのバーナードに起因する。英語で最もよく知られている表現は、1675年のIsaac Newtonによるもので、「私たちは巨人の肩の上に座っている小人のように」と言った。
アルチョム・ミロレヴィッチ は、1976年にベラルーシのミンスク市で生まれた。 17歳で彼はアメリカに移り、ニューヨーク市の視覚芸術学校に入学。彼はイラストレーション学科から奨学金を授与され、また交換留学生としてアムステルダムのリートヴィールド芸術アカデミーで学期を過ごした。
ニューヨークとアムステルダムの文化的で建築的景観は、彼の作品を刺激し続けている。
アルチョムは、世界中の美術館、ギャラリー、アートフェアでの100以上の個展やグループ展に参加。彼の作品は、何百もの個人、財団、美術館のコレクションに収められている。
また、この度の展覧会開催に合わせまして、作家本人を交えてのオープニングレセプションを予定している。
アルチョムの新作を日本でご覧頂けるこの機会をぜひ。