今夏、細見美術館に、パリ在住のポーランド人コレクター、ジョルジュ・レスコヴィッチ氏の浮世絵コレクションが登場。レスコヴィッチ氏は他の外国人浮世絵コレクター同様、日本でも人気の高い春信、歌麿、写楽、広重、北斎といったビックネームを含む浮世絵作品を所蔵されている。その中で最も注目すべき作品は、英泉と広重が分担して江戸と京をむすぶ中山道(木曽街道)を主題とした「木曽街道六拾九次」(広重は「木曽海道六十九次之内」)。本作は、シリーズ全ての図が揃っているばかりでなく、全てが初摺という貴重な作品でもある。
本展は、この「木曽街道」を中心に広重の「六十余州名所図会」、「京都名所」、「阿波野鳴門の風景」、さらには北斎の「富嶽三十六景」、「諸国名橋奇覧」、「琉球八景」など、昔も今も変わらぬ人気のスポットへ、みなさんをいざなう。美術館にいながら日本の名所をめぐり、さらには春信や歌麿の美人画、写楽の役者大首絵などを通して、粋な江戸の雰囲気をお愉しみいただきたい。版画の美しさ、おもしろさをご堪能いただける、またとない機会となることであろう。