275年の歴史を持ち、その邸宅は市内最大の規模を誇る京町家 杉本家住宅。京呉服を営んだ杉本家の暮らしを支えた食糧倉庫 米蔵の修築完成を記念し、米蔵の特別見学と共に、大店商家の繁栄・暮らしを支えた食を中心とした日常の暮らしにスポットをあてた特別プログラムを開催。
【ポイント】
(1)10代目当主 杉本節子氏のお話と、京町家で味わう日常の食事「一汁一菜」
料理研究家としても著名な杉本節子氏より、杉本家に伝わる質素倹約の食のならわし、普段のおかず「おばんざい」について解説いただきます。さらに、杉本家に伝わる古文書にある「一汁一菜」の献立を再現し、ご賞味いただきます。日常の食事だからこそ味わえる「京町家で暮らす」感覚を楽しむことができる。
◎一汁一菜 献立 ※仕入れにより内容が変更になる場合がございます。
・泥亀煮(なすを味噌とすりごまを加えた出汁で煮たもの)とインゲン豆
・豆腐とみょうがの味噌汁
・白飯(京都産プレミアム米)
・漬物(杉本家自家製梅干し・きゅうり浅漬け・しば漬け)
(2)特別展「常着と晴れ着展」
杉本家9代目 杉本秀太郎の三女 歌子さんから、杉本家に伝わる日常の着物(常着)と晴れ着の比較展示・解説を通して、質素倹約を旨とし、ひと手間・ひと工夫を惜しまない杉本家の日常の暮らし「こうと(地味で質素なことを表す京ことば)」な生き方を体感できる。
(3)「旧米蔵」特別公開
多くの使用人を抱えていた江戸時代に、おだいどこ(台所)を切り盛りする女たちは、一日に6升もの飯を炊き、滋味に富んだおばんざいと共に商家の発展を支えてきた。「米蔵」は大店商家の暮らしを守る食糧倉庫であり、京の町衆の日常の暮らしを後世に伝える貴重な遺構。150年の歴史を刻み、2016年より行われていた解体修築で生まれ変わった旧米蔵を初公開する。