|
海外旅行先で考案された新しい和菓子
先々代が寺町二条のかぎやで修行を積み、暖簾分けを受けて大正五年(一九一六)に創業した。したがって、その伝統は元禄年間以来のものともいえる。たとえば、代表商品のひとつの「ときわ木」は、つぶ飴を薄く延ばして焙炉焼きで仕土げた菓子だが、これは本家から伝承されたものという。老松を思わせる風趣があり、茶菓として人気が高い一品だ。
また、同じく代表的銘菓として人気の野菊は、京菓子にもかかわらず地中海アーモンドを入れた豆落雁。これは、外国旅行が好きだった先代が、なんとか外国の素材を入れて和菓子ができないものかと考案したわけで、そういう先取も旺盛だ。外国旅行好きということでは、店の看板は先代がわざわざ中国まで行ってつくったものという。
もうひとつの代表商品が黄檗。粟羊羹に豆の粉をまぶしたもので、名前からも連想できるように唐菓子めいた古風なイメージがあるが、お茶にもお酒にもあう。なお、このときわ木、野菊、黄檗柴の三つを詰め合わせた百万遍かぎやの銘菓三撰を「洛三彩」と称している。昔ながらの伝統の味と、新しさにチャレンジした味を、合わせて楽しめるのが喜ばれているようだ。
|