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二十一世紀に向けた老舗のビジョンを語る
虎屋に伝わる古いしきたりに、当主の代がかわるごと、新当主が京都の店に祀ってある毘沙門天の本尊を独りになって拝む儀式があります。四百年続いた儀式を前にして私は、毘沙門天に相対したときに心に刻んだ覚悟を当主である限り持ち続けること、時代時代に即応した経営方法を自分なりに考えること、を心に誓いました。そして、虎屋が築きあげてきた理念を根本から見つめつつ、二十一世紀に向けて基礎を築き直そうとの思いから「二〇〇一年虎屋ビジョン」を掲げました。
それは「おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く」ことを経営理念に据え、「確立された個人が自由に意見を言い、誰もが未来の建設に参加できる、自由で民主的な会社」をつくりあげようという思いをベースに、個人の成長と企業の繁栄とを連動させ、活力ある組織をつくりだそうというものです。伝統的な菓子といっても、それが古くから伝わっているというだけの価値ではなく、今つくっている菓子そのものが、お客さまにとって素晴らしいものでなくてはなりません。そして、商品だけではなく、このような虎屋という企業そのものをお客さまに知っていただきたいと思っております。
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