「京野菜 かね松老舗」の取締役社長を務める上田耕司さんは、今のようにオーガニックや有機ということばが身近になる前から無農薬で育てられた野菜に注目し、おいしい有機野菜を求めて日本全国をとび回りました。現在、店内には有機野菜や旬の京野菜のほか、珍しい野菜や果物も賑やかに並びます。
そして店舗の二階では、野菜をふんだんに使った、その名も"長寿ランチ"が味わえます。
「ランチの原点は私のうちで食べていた料理です」
と、上田さん。つまり「やお屋の二かい」で楽しめるランチは、明治のころから八百屋を営んできた上田さん一家が、日々、食べ継いできた家庭料理なのです。そんなやさしい料理に合うのは、やはり日本茶。しかも、現代的な手法によらない昔ながらのお茶でした。
ここ「やお屋の二かい」でいただけるお茶は、播磨園製茶のお茶です。それぞれの野菜の持ち味や旬を大切にする上田さんは、お茶も自らが納得できるものを求めて、静岡や鹿児島など全国の茶処を訪ね歩きました。そしてようやく、宇治田原の播磨園製茶のお茶にたどり着いたのです。
「有機栽培・無農薬のお茶は日本にも数多くあります。でも播磨園製茶さんのお茶は、初めて飲んだとき、ほんとうにおいしいと感じました」
八百屋として上田さんは、「有機」であることも大切だけれど、「おいしいことが大前提」という考えをお持ちです。こうしてめぐりあった播磨園製茶は、六代目の播磨余士行さんが、農薬を利用した茶葉の栽培をやめ、1985年ごろから全面的に有機栽培に切り替えました。現在では取得が難しい有機JAS という認証も得ています。つまり正真正銘の有機農法、オーガニックの日本茶なのです。
「茶園を初めて訪ねたときは、この先に茶園なんてあるのかな、と不安になるほどでした。細い道をどんどん奥に入っていくのです。でも到着してみると、茶を蒸す釜の雰囲気もいいし、期待が持てました」
播磨園製茶では、農薬を使わない分、茶葉を育てるのに人の手がかかります。茶畑の雑草とりにしても、一つ一つの作業を家族でコツコツと行う。そんな丹精こめてつくられた播磨園製茶のお茶が、同じくこだわりの八百屋を営む上田さんの目にとまったというわけです。
「やお屋の二かい」で提供しているのは、播磨園製茶のラインナップの中の「京番茶」。緑茶を炒った(焙煎した)もので、独特の香ばしさがあります。
「焦げくさい、という人もいらっしゃいますが......、」
上田さんはそう言いますが、ひと口いただくと、なるほど香ばしい香り。
けれどカドのないまろやかな味は、まさに京番茶です。
安全で、安心で、そしてもちろん「おいしい」お茶。
「やお屋の二かい」でご長寿ランチをいただいたら、
そんな播磨園製茶の京番茶も、たっぷりお楽しみください。
■京野菜 かね松老舗 「やお屋の二かい」
京都市中京区錦小路通柳馬場西入 京野菜 かね松老舗内
○長寿ランチセット(要予約。何日前からでも可能です。)
日替わりのおばんざい6品と、月替わりのたき込みご飯、
自家製の漬物、デザート付き。(税込み2,100円)
※売り切れ終了の限定食。
○ご予約専用TEL:075-221-0089
受付時間 9:00am~6:00pm
※ランチタイムはつながりにくい場合もあります。ご了承ください。
-
京都のグルメ「食べる」
-
京都のグルメ「呑む」