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ことり会が食す! ジェイアール京都伊勢丹"京味"で見つけた京の美味♪



1月は甘いものには目がない、わたくしライター小春がレポートします!

甘納豆の専門店「ぼうだい本舗」の本店兼工房があるのは、川端二条の住宅街。入るのを躊躇するほどにシンプルな暖簾と小さな看板だけの外観...ですが、地元の人はもちろん、噂を聞きつけた"甘いもの好き"さんが遠方から訪れることもあるとか。きちんとした創業の記録が残るのは明治35年ですが、それ以前からもお店は営まれていたという老舗。ジェイアール京都伊勢丹限定で販売される「渋皮栗甘納糖」の製作工程について、工房内を見学させてもらいつつ、代表取締役で菓子職人でもある平塚厚仁さんにお話を伺いました。

2つの部屋に分かれた工房は、マシーンなどはほとんどなく想像以上にシンプル。聞くと「ほぼ手作業で作っています」と平塚さん。栗をゆがく部屋にはドラム缶のように大きなステンレス製の容器に栗がどっさり。「仕入れてきた栗は、湯がいてからサラサラの薄いシロップに半年以上漬ける"蜜漬け"をします。そうすることで、芯まで蜜が行きわたるんです」。容器の中の栗を見せてもらうと、ひと粒ひと粒がどっしりと大きめ。「渋皮栗甘納糖は、見栄えの良さにこだわって、L版というサイズの栗を使っています」。

そうして半年間"蜜漬け"された栗は、糖度の低い蜜に3~4日漬ける「薄漬け」、次に糖度が高い高温のシロップに2時間漬けて仕上げへ。「栗の皮をパリッとさせるために重要な工程」という冷却は、その日の気温、湿度などで栗の状態が変わるそうで、「雨の日は短時間にするなど、長年の勘で時間を調整しています」。味の要となるシロップは、味がなじみやすいという大根葉から取れる甜菜糖を使い、シロップは使った半分を残し、半分は新しいシロップを継ぎ足すというスタイル。最後にまぶしてあるのは、グラニュー糖。こちらも栗を見ながら振りかけて、手作業で仕上げていきます。甘納豆を作る工程は、先代から受け継いだ方法を踏襲しつつも、確固たるレシピはなく、「冷却する際に栗の下に敷く紙の素材を変えてみたり、シロップに漬ける時間を調整したり、おいしさは当然、日持ちするよう工夫するなど、いうたら、毎日作り方は変わっていますね」と、日々進化を重ねているよう!

一口食べると、栗の薄皮がパリッと、中はじわ~っと濃厚な蜜の甘み。三段階にもわたって、丁寧にしみこませた甘味は至極しっかり!これは、お茶請けに濃く淹れたお茶と合わせたい。平塚さんによると「玉露などの日本茶はもちろんコーヒーや、ブランデーなどのお酒にも合うんですよ」とのこと。甘いものは女性向けと思っていましたが、お酒をたしなむ男性の方へのプチギフトにもいいかも。中が見える透明の袋に、大きくロゴが入ったシンプルなパッケージもお洒落で、そのまま気軽に手渡せそうです。 甘いもの好きの7歳の息子にも分けてあげると、すごく気に入ったようで「うんまー」と雄たけび。子どものおやつにはもったいないくらい上等なんだけど(笑)「この美味しさは老若男女問わないのかも」と、2人で取り合うようにして頂いたのでした。