TOP  > 京都のグルメ情報  > 京の酒  > キンシ正宗

百味會

豊かに湧き出る京の名水に育まれた清酒

キンシ正宗

独自の経営展開で常に業界の関心を集める

明元年(一七八一)、若狭小浜出身の初代・久兵衛は、御所の南の堺町通二条上ル亀屋町で酒造業を始め、屋号を「松屋」と定めた。京の街は、古来から良質の地下水が豊富に湧出していたため、酒処として発達し、江戸時代には洛中だけでも数百軒の酒造業者がひしめいていたという。松屋は、そうした環境の中で味と技術を磨き、次第に頭角を表すようになっていた。
明治に入り、松屋は名水を求めて酒処・伏見に進出し、終戦のころまでは中京と両方で酒造が行われていた。その間、日清戦争後には、「金鵄勲章」から名づけられた「金鵄正宗」の商標が登録された。この名称は後に「キンシ正宗」と片仮名に変更され、現在まで使用されている。また、大正二年には大蔵省醸造試験所が主催した全国清酒品評会において全国第一位を受賞したり、昭和三年には昭和天皇即位の御大典を記念した超高級酒の「大吟造キンシ正宗」が好評を得るなど、日本全国から華々しい評価を受け、キンシ正宗は確固たる地位を形成するに至った。
戦後も、積極的に新製品・新技術の開発を推進し、酒造業界に大きな功績を残してきた。昭和五十二年には、アルミを含む六層構造の紙容器を業界に先駆けて採用したが、日本酒が手軽に買える新しい包装形態として、今ではあらゆる日本酒メーカーが採り入れている。

旧当主宅を記念館として一般公開

私どもが、創業以来、丹精込めてつくってきた酒は、有職料理店をはじめとする京都の老舗の料理店で古くからご愛顧をいただいてまいりました。味に対して厳しい目を持つ方々からご鞭撻をいただいたことは、私どもの成長につながりましたし、今も京の食文化の中で、当社の酒が生かされているのは、たいへんな誇りでもあります。
こうした歴史の礎となった中京の創業の地は、戦後、当主である堀野家が住宅として使用していましたが、現在は記念館として一般公開しております。ここでは、明治初頭に建設した町家をご紹介するとともに、昔の酒造道具などを展示しています。さらに、若い世代の方々が町家に親しんでいただくきっかけになれば、という思いも込めて、当社製地ビールの試飲コーナーもつくりました
また、本拠地でもある伏見には、最新の設備を整えた「新常盤蔵」を建設し、四季を通じて安定した酒造りが行える体制を整えています。将来的には、京都の米も積極的に酒造りに取り入れるなど、純京都産の日本酒がつくれる体制を築いていくつもりです。これからも、古い物と新しい物の両面から、京都の良さを広くアピールしていきたいと思います。

キンシ正宗ホームページへ

創業◇元明元年(1781年)
商号◇キンシ正宗株式会社
所在地◇京都市伏見区新町11-337-1(本社)
電話◇075-611-5201(本社)
ファクス◇ 075-611-0080(本社)