京都ならではの酢の味を追先し続ける 村山造酢 |
京都の近世文化の一翼を担った京の酢 池田藩(現在の岡山県)の武士だった村山家は享保年間に入洛して酒商を創業し、併せて酢や醤油を商うようになった。後に、友禅染の色止め剤としての酢の需要が高まったことから、清酢の醸造を専業とし、事業として飛躍的な発展を遂げる。同時に、食酢についても絶大な支持を得るに至り、ご膳酢司としで確固たる地位を築き上げていった。 同店の商標「千鳥」は、「加茂川や清き流れに千鳥すむ」という古歌にちなんで名付けられた。友禅流しが行なわれた鴨川には、その昔、川千鳥がたくさん生息していたとのこと。そして、水辺に羽ばたく美しい鳥の名を冠した食酢は、京の食文化に欠かせない存在に育っていったのである。柔らかな酸味とコク、まろやかさと深みのある旨味が千鳥酢の特徴。江州米と清涼な水を使い、高い醸造技術を駆使してつくられる同店の酢は、京の味を陰で支え続けてきたといっても過言ではないだろう。 |
人と自然、歳月が醸した食の文化を明日に伝えていきたい |
創業◇享保年間 商号◇村山造酢株式会社 所在地◇京都市東山区三条大橋東 電話◇075-761-3151 ファクス◇075-751-9119 営業時間◇午前8時半~午後5時 定休日◇日曜・祝日 |
-
京都のグルメ「食べる」
-
京都のグルメ「呑む」