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百味會

和菓子文化の発展にも寄与する老舗の心意気

和菓子の歴史とともに発展して・・・

室町時代末期、すでに虎屋と名乗っていたという記録があるが、口伝によれば奈良時代から朝廷の御用を勤め、平安遷都に伴って京に移転。桃山時代から江戸時代物期には、虎屋中興の祖といわれる黒川円仲が活躍し、菓子舗としての発展の基礎を築き、元禄時代には諸国の大名にまで虎屋の名は知れ渡るようになった。
ところで、羊羹といえば虎屋、と言われるほどの名店であり、老舗でもある。羊羹の起源も古く、紀元前の中国での羊の肉の羹(あつもの・とろみのある、熱いスープ)が原点で、鎌倉から室町時代にかけて禅宗の僧たちが日本にもたらした。しかし、肉食をタブーとした禅宗では、肉の代わりに小豆や山芋、小麦粉に葛粉などを加えてこね、羊の肉に見立てたようである。それを蒸した蒸羊羹がやがて菓子の仲間入りをし、そのうち寒天で固める煉羊羹が生まれる。江戸時代半ば過ぎの寛政年間の頃と伝わっている。
また、虎屋饅頭(酒饅頭)も古い歴史を持ち、鎌倉時代、宋留学を終えて帰国した聖一国師(東福寺の開祖)が伝えた製法の流れをくんで現在も作られている。
さて、このように成り立ちが・古く、宮中の御用を代々勤めてきた虎屋には、歴史的にも貴重な古器物や古文書などが数多く残されている。それらは虎屋文庫に収蔵され、あるいは年に二回ギャラリーで展示され、和菓子研究の資料に供している。

二十一世紀に向けた老舗のビジョンを語る

虎屋に伝わる古いしきたりに、当主の代がかわるごと、新当主が京都の店に祀ってある毘沙門天の本尊を独りになって拝む儀式があります。四百年続いた儀式を前にして私は、毘沙門天に相対したときに心に刻んだ覚悟を当主である限り持ち続けること、時代時代に即応した経営方法を自分なりに考えること、を心に誓いました。そして、虎屋が築きあげてきた理念を根本から見つめつつ、二十一世紀に向けて基礎を築き直そうとの思いから「二〇〇一年虎屋ビジョン」を掲げました。
それは「おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く」ことを経営理念に据え、「確立された個人が自由に意見を言い、誰もが未来の建設に参加できる、自由で民主的な会社」をつくりあげようという思いをベースに、個人の成長と企業の繁栄とを連動させ、活力ある組織をつくりだそうというものです。伝統的な菓子といっても、それが古くから伝わっているというだけの価値ではなく、今つくっている菓子そのものが、お客さまにとって素晴らしいものでなくてはなりません。そして、商品だけではなく、このような虎屋という企業そのものをお客さまに知っていただきたいと思っております。


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創      業◇室町時代末期
商      号◇株式会社虎屋
所 在  地◇京都市上京区鳥丸通一条角
電      話◇075-441-3111
ファ ク ス◇075-431-1063
営業時間◇午前9時~午後7時(日祝は~午後6時)
定 休  日◇無休(年始を除く)