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百味會

伝統の暖簾以上の和菓子をつくり続ける

聚楽第ゆかりの地にはためく長暖簾

天下統一を果たした豊臣秀吉は、聚楽第と呼ばれる豪壮な城郭を築城し、強大な権威を世に示した。「聚楽」という名称は、今も市街の一部の地名に残っている。そして、聚楽の名を冠した焼き菓子を代表銘菓とするのが、聚楽第の鉄門が面していたとされる黒門通沿いの塩芳軒である。
同店は、明治一五年(一八八二)、林浄因の流れを汲む塩路軒から別家するかたちで創業した。林浄因とは、暦応四年(一三四一)に中国から来日し、日本で初めて饅頭をつくったと伝えられる人物である。創業以来、暖簾分けを表す伝統の長暖簾を守りつつ、「暖簾以上の菓子をつくる」姿勢を大切にしてきたという。
聚楽第が天正年間に築かれたことから、銘菓「聚楽」には「天正」の文字が押してある。甘過ぎず上品な風味のこし餡は、聚楽専用に特別に配合されたもの。シンプルな焼饅頭でありながら、焼き方、固さ、餡の味付け、皮と餡とのバランスなど、あらゆる要素が計算し尽くされた、味わい深い逸品である。

京の風習を楽しみ、菓子づくりに生かしたい

菓子をつくるにあたって、私はまず最初に、「美味しい菓子とは、どのような菓子であるか」ということを考えます。羊羹でも最中でも、あらゆる菓子には各々特有の美味しさがあります。そして、その美味しさを醸し出すために、最も相応しいつくり方を考えていくのです。次に、つくろうとする菓子に最も適した素材を選び、その性質をよく知り、持ち味を一〇〇パーセント生かせるよう工夫を重ねます。いくら高級な材料を使っても、つくり方が悪ければ、美味しい菓子はできません。素材が充分に生かされた価値のあるものをつくるのが、和菓子屋の技術といえます。
また、当店の信条として、古くからのお客様を特に大切にしていきたいと考えています。たとえ大量に売れたとしても、そのために質が落ちるようなら、つくる意味はありません。それよりも、何十年もの間、聚楽を一個ずつ買いに来てくださるようなお客様を大切にし、将来に渡って長く支持していただける店であり続けたいと思っています。
京都で商売をしていく限り、京都の風土・風習をよく知り、京都という街で生活している家族として、これを楽しんでいきたいと思います。そうすることによって、京都らしい良い和菓子がつくれるでしょうし、京都の艮さもアピールしていけるのではないでしょうか。これからも、京都の風習を大切にしておられる百味会の方々とともに、京の味を伝えていきたいと願っております。

商品のご紹介

「千代たんす」
手すきの千代紙で作った当社特性の3段のたんす。三種の御干菓子を詰め合わせました。お祝いごと、ご進物、お土産にご利用いただいております。
「羊羹」古来からの製法を守った手作りの羊羹。ご進物用に抹茶・大納言・煉羊羹を用意し、木箱に詰め合わせました。お好みの羊羹詰め合わせさせていただきます。
「御干菓子の詰合せ」
大切な方への贈り物やおもてなしに杉箱に七種の御干菓子を詰め合わせました。それぞれの味といろどりをお楽しみいただけます。
その他、季節により様々な商品をご用意しております。
千代たんす
 
羊羹3本入(木箱入)
 
御干菓子(木箱入)
 
    
 
創      業◇明治15年(1882年)
商      号◇株式会社塩芳軒
所 在  地◇京都市上京区黒門通中立売上ル
電      話◇075-441-0803
ファ ク ス◇075-451-2008
営業時間◇午前9時~午後6時
定 休  日◇日曜・祝日、第三水曜日
予      約◇要予約