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百味會

特製のざるやふきんも人気の家喜芋

芸術家肌でアイデアマンだった初代

総本家若狭屋で修業した初代が暖簾分けを受け、二條若狭屋を創業したのは大正もはじめの頃。その初代は画家を志したこともある芸術家肌の人物で、文章もうまく、NHKラジオなどにもレギュラー出演していた。工芸菓子や献上菓子などで評判を博する一方、アイデアマンらしく新聞などに奇抜な広告コピーや図案を発表して、世間の意表をついたりもした。
この二條若狭屋の代表的銘菓といえるのが、やはり初代の考案した家喜芋。丹波山芋(つくね芋)を主原料にした皮で餡を包んで軽く焼いた菓子。餡はこし餡、つぶ餡、白餡の三種類がある。近衛文麿氏が首相のおり、京都で園遊会が催され、初代が献上したもので、好評を得たという。香ばしい風味と上品な甘さにいまでも人気は高い。また、進物用には青竹のざる入りで、家喜芋の印を押したふきんともども、贈られた家々で重宝されている。
現在では、少し小ぶりになり、あるいは甘味を抑えたりと、時代に対応するための工夫はあるが、原材料に変化はなく、基本的には同じものが味わえる。また、青竹の香り漂う竹筒ようかん、丹波栗を一個まるごと栗餡に包んで焼きあげたやき栗は当代の作で、新しいものへの挑戦も続けられている。店の一階では四季折々の和菓子を抹茶でいただくことができる。二階は茶室になっていて、予約申し込みができる。

家庭でつくってこそわかる和菓子の味

和菓子屋というのは家業であって、そうでなければ続けることができません。つまり、夫婦二人だけになっても店は続けられるのです。とはいえ、当主である者は、次代を必ず職人に育てあげなければなりません。これは二條若狭屋の、いわば家訓みたいなものです。私自身は、この商売を趣味にすることで、まったく苦にはなりませんでした。ただし、後継者育成のためには、魅力のある家業でなければならないでしょう。古いものは好きですし、初代がつくったものは大事に残していきたい。そして、時代に合わせながら、古い伝統を引き継いでいきたいと思っています。そういう点では、京都という土地柄は恵まれています。いい菓子を創作できても、十年続いてはじめて名菓の仲間入りができるのです。
と同時に、いつも考えていることですが、菓子というものは本来は家庭でつくってほしいものです。芋や栗がおいしい季節にはその材料でつくる、そうしてこそはじめて、菓子への愛情も、お菓子屋さんへの愛着も出てくると思います。それは食べ物についての基本であり、こればかりは昔から変わらないことです。そして、わからなかったら和菓子屋さんに聞けばいいのです。そういう日々の付き合いを通して、京菓子の文化も育っていくことと思います。

  
創      業◇大正6年(1917年)
商      号◇株式会社二條若狭屋
所 在  地◇京都市中京区二条通小川角
電      話◇075-241-1505
ファ ク ス◇075-252-2020
営業時間◇午前8時~午後6時(日曜は~午後5時)
定 休  日◇正月三ヶ日