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百味會

銘菓の風味を守りつつ、技術の近代化を推進

総本家河道屋
蕎麦の素材と南蛮菓子の手法を融合した銘菓「蕎麦ほうる」

平安遷都と共に京都に移り住んだ家柄と伝わる総本家・河道屋。元禄年間より上京の小川通上長者町で菓子と蕎麦を商ってきた。家伝には、火災に遭ったため現在地に移転したと記されている。
代表銘菓である「蕎麦ほうる」が開発されたのは明治初期のこと。中興の祖・河道屋安兵衛が、蕎麦づくりの技法に南蛮菓子の要素を取り入れて開発したもので、以来、万人に愛される銘菓として珍重されてきた。生地に油分を使わず、あっさりとした風味が蕎麦ほうるの特徴。口に入れると溶けてしまうような独特の乾いた食感も、その美味しさの要因の一つであろう。
河道屋のもう一つの本業は、先祖伝来の蕎麦づくり。従来同じ店舗内で営まれていたが、現在は本社の近くに蕎麦店の「晦俺河道屋」を設けている。つなぎに「つくねいも」を使用するなど、蕎麦の素材には徹底的にこだわっており、現在も井戸水を使って打っているとのこと。「打ちたて」「ゆがきたて」の風味をお客に味わってもらえるよう、心と技を尽くして調理する姿勢を貫いている。

守るべきものは守り、変えるべきものは変えていく

明治以来、私どもは蕎麦ほうるの製造・販売事業の発展に努めてまいりました。特に、新しい包装技術の導入や、製造技術の機械化は、河道屋の事業に大きな変革をもたらしたといえるでしょう。蕎麦ほうるは、品質的には日持ちしますが、一方で湿気を帯びやすいため、発売当初はあまり生産量を増やせませんでした。やがて、新しく開発された金属の缶や硫酸紙等を包装に用い、長期間の保存が可能になったことから量産できるようになり、これにともなって販路も拡大していきました。
また、開発当初は、蕎麦を打つのと同じように麺棒で生地を伸ばし、梅の形に型抜きしてからレンガの釜で焼いていました。この方法では、どうしても材料に無駄が生じてしまいますが、のちに機械で梅の形に絞り出して成形できるようになってからは、大幅に生産効率を向上させることができました。
しかし、技術革新を積極的に進めながらも、蕎麦ほうる本来の味はかたくなに守り続けてまいりました。商売として発展していくために機械化は不可欠ですが、絶対に品質を落としてはいけません。「守るべきものは守り、変えるべきものは変えていく」のが、私どもの信条なのです。

総本家河道屋
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創業◇元禄年間
商号◇株式会社総本家河道屋
所在地◇京都市中京区姉小路通御幸町西入ル
電話◇075-221-4907
ファクス◇075-255-6443
営業時間◇午前8時半~午後6時
定休日◇正月のみ