TOP  > 京都のグルメ情報  > 京懐石・京料理  > 菱岩

百味會

町衆の歴史とともに歩んできた仕出しの名店

菱岩

京都人の生活に欠かせない「仕出し」専門の老舗゙

京の人々は、祭りや慶弔事などの折りに、仕出し店に料理を注文して京の美味を楽しんできた。仕出し店は京の人々の生活に欠かせない存在として、その多くは地域に密着した形で慕われ続けてきたといえるだろう。
天保初年(一八三〇)に祇園で商業した菱岩も、そうした地域に愛され続けてきた仕出し店の一つである。同店の名声が特に高まったのは、三代目当主・松之助の時代。三代目は、近隣の得意先の要望に高いレベルで応えるため、独学で京料理の神髄を追究し、「ハモ切りの名人」とまで称されるようになった。同店の料理では、なんといっても「出し巻き」が名物。手間をかけてつくられた菱岩の出し巻きは、長年にわたって絶大な人気を維持している。
祇園という場所柄、お茶屋への仕出しが多いのも同店の特徴である。


お客様の喜びを第一義として料理をつくる

仕出し料理をつくるうえで最も大切なのは、お客様のご要望にお応えすること、お客様に喜んでいただくことだと考えています。お客様に求められてるものを一生懸命に作るのが当店の信条であり、細やかなご注文にもていねいに対応するよう心掛けております。
また、料理というものは、決まった形や味に固定しなければならないものではありません。自分自身の味にこだわりつつも、お客様に喜んでいただけるように気を配っております。料理は職人の技術をひけらかすためにあるのではなく、あくまで食べる人を喜ばせるためにあると教えられてきました。そのことには今後もこだわっていきたいと考えています。
良い材料、良い水を使って調理するといったことは当然のことであり、こうした基本は常に忠実に守り続けています。さらに、材料を切る、さばくといった技術は年々上達するものですが、こと味付けに関しては経験を積めば積むほど深く考えるようになり、かえって難しくなっていくようです。これからも精進を重ね、より一層お客様に喜ばれる料理をつくり続けていきたいと願っております。

   
創業◇天保初年(1830年)
商号◇菱岩
所在地◇京都市東山区新門前大和大路東入西之町
電話◇075-561-0413
ファクス◇075-541-5882
営業時間◇午前11時~午後9時
定休日◇日曜・最終月曜日
予約◇要予約