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VOL.7
レモン館 大徳寺店 
CITRON VERT(シトロンヴェール)

店舗写真

●所在地

京都市北区紫野上門前町 61-1
市バス205系統 大徳寺前 徒歩6分
地下鉄 北大路駅 徒歩15分
●営業時間
11:30~18:00(17:30ラストオーダー)
●定休日
月曜日、第二火曜日
●TEL
075-495-2396
●URL
http://www2u.biglobe.ne.jp/~lemonkan/
 


●門前のにぎわいを少し離れて
京都大徳寺。その名前は「大徳寺納豆」や「一休さん」でよく知られる。また、千利休が自刃するに至った三門も有名。
意外なのは、北大路通に面した門が正門ではなく、東側の総門がそれに当たる。なるほど、東側の通りには、大徳寺納豆の店や、料亭、土産物店など門前通りらしい賑わいを見せている。
また、駐車場には観光バスが数台止まり観光客の姿も多く見られた。
そんな賑わいの中を大きくのびた木々の紅葉を眺めながらのんびりと北へ歩く。赤や黄色の色鮮やかな葉が頭上と足下に広がり、目線が上に下にと忙しい。
寺の敷地も終わり、もう少し歩いた住宅街の中に「レモン館 大徳寺店」と書かれたのれんが目に止まる。
こちらのお店は「CITRON VERT(シトロンヴェール)」と言う名前でも呼ばれている。フランス語で「ライム」の意味なのだが、由来は聞くことができなかった。
店に入ると、大正時代のドラマのセットに紛れ込んだように一瞬に時間が巻き戻される。壁にかかる振り子時計や、椅子やテーブルなどの家具なども、時間を重ねて作られた色と風合いを帯び、人工的に作られたものではないことがわかる。奥には、階段箪笥(!!)や古い器などが展示されていて、購入することができる。

この日は天気もよく玄関や窓が開けられていたが、11月もなかばを過ぎて多少肌寒かった。お店の方がひざ掛けを持ってきてくださり、細かい気配りに気持ちがほっこり暖かくなる。

●野菜たっぷりのランチと手作りデザート
メニューはさほど多くはなく、ケーキは日替わり。飲み物は自家焙煎のコーヒーや紅茶。フレーバーティも数種類ある。
ランチタイムは、ワンプレートに2種類のキッシュとサラダ、そして一品が乗せられているものと、季節のスープ。食後の飲み物もついており、プラス200円でデザートもつくのでかなりお得。この日の一品はなんと「むかご」。食卓でめったとお目にかかることはない珍しい食材。
季節のスープも蕪のポタージュで、なかなか家庭で味わうことができないメニューだ。キッシュはサーモンとポテト、ソーセージとキノコの2種類。小さめにカットしてあるので、ボリュームもほどほどでちょうどいい。フードはこの他にカレーやホットサンドなどもある。

デザートに、りんごのクラムとバナナとイチジクのケーキをいただいた。
りんごの方は、小さく刻まれて煮たりんごが固めのタルト生地にのせられていて、上から大きめに砕かれたクラムを乗せて焼いてある。
フォークを刺すと、ざくっと音を立てていかにも「固そう!」なのだが口に入ると柔らかなりんごとタルト生地やクラムがほろほろとくずれて適度に歯ごたえもあり楽しい食感。りんごは甘さ控えめに煮てあり、それが大きめのクラムと口の中でしっとりザクザクと一度で二度おいしい。
一方バナナは、パウンドケーキ。ゆるく立てられたホイップが添えられていた。バナナのパウンドケーキと言うと、どっしりと重い印象なのだが、こちらのはそうではなくて、ふんわりとしており口に含むといちじくの甘酸っぱい風味が鼻を抜ける。一口目はバナナ、噛むとイチジクといった感じで、一度で二度おいしい。時々プチプチとイチジクの種の食感が楽しさを増す。

こちらのケーキは注文販売もあり、ガトーショコラやレモンケーキ、季節のパウンドケーキなどを販売している。注文はできる限り2,3日前にと言うことだが前日の午後5時半まで受け付けてくれる。受け取りは店頭または直払いによる発送もある。12月には、クリスマス向けにブッシュドノエルの販売もあり、こちらは数量限定なので予約はお早めに。

 
●ゆったりとした時間の中で
店に入って小一時間を過ぎた頃、振り子時計が時報をならした。ボーンボーンとゆっくりと響く音がバタバタと過ぎる日常を毎時間リセットしてくれるようで優しい気持ちになる。
控えめに流れるBGMと、時報の音、カチャカチャと食器のぶつかり合う音が混じり合い、古く落ち着いた色合いの椅子に腰掛けていると、自分もまた店内の一部に溶け込んでいく。
古い町家を利用したCafeは最近よく見かけるが、家庭の匂いや落ち着きを感じさせる場所は少ないのではないだろうか。
ひとつ、気になったのは階段箪笥の隣にあった木の「ふすま」。幼い頃の記憶が正しければ一般的な町家ではあの中には「階段」があるはず。次回ぜひ確かめてみたいと思った。