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VOL.6
京菓子司 亀屋良長

店舗写真


●所在地

京都市下京区四条堀川東入ル(醒ヶ井角)
阪急大宮駅・烏丸駅ともに徒歩5分前後
●駐車場
店前に2台
●営業時間
9:00~19:00(日曜・祝日は18:00まで)
●定休日
無休(元旦、2日除く)
●TEL
075-221-2005
●URL
http://kameya-yoshinaga.com/
 


 
●いきなり、問題です!
烏羽玉(うばたま)。
この名前を聞いて、そして漢字を見て、一体何を連想されるであろうか。

答えはコチラである。
実物を確認した途端、思わず「な~るほど!」と声をあげてしまうような、絶妙なるネーミング!茶の湯とともに発達してきた京菓子には、名前を聞くだけで楽しい、そして雅な魅力が隠されているのだ。花ひとひら、名月・・・どれをとっても、私のとぼしい想像力でさえかき立てられるような、奥ゆかしい名前ではないか。

さて、この烏羽玉。創業享和三年の『京菓子司 亀屋良長』に代々受け継がれてきた銘菓である。享和三年、西暦でいうと1803年。日本では江戸時代も後半にさしかかり、11代家斉や松平定信が活躍していた頃。海外ではナポレオンが皇帝に就任した頃にあたるというからもの凄い。その歴史を考えるともう驚くしかないのである。現在の吉村良之社長が初代から数えて七代目。来年はなんと創業200年を迎える老舗である。京都大丸、京都高島屋、JR伊勢丹など各百貨店で購入できるが、今回はせっかくのティーブレイク。本店にお邪魔することにした。

●京の名水、醒ヶ井
四条堀川を少し東へ歩いた醒ヶ井通の角、近代的ながらも京都の風景にマッチした、ビルの一階。そこが亀屋良長本店である。店内に入ろうとする目にまず飛び込んでくるのがなんと井戸。醒ヶ井、と呼ばれるこの井戸は京の三名水と呼ばれた井戸を、平成三年、現社長が復活させたもの。地下80mからくみ上げられるこの水を、今回私も飲ませて頂くことができた。クセがなく、すっと喉を通っていく心地よい感覚は、マンション住まいの私にとって新鮮そのもの。聞けば、町内を潤しても未だ余るほどの水量であるとか。味、質、量ともに申し分ない醒ヶ井の水は、亀屋良長で製造される京菓子の全てに使用されているそうである。

女心をくすぐる、抹茶セット(季節の生菓子付\700)や緑茶セット(季節の生菓子付\600)の誘惑に負けそうになっている私に、若山店長の天の声。
「ただ今のお勧めは、季節限定の『栗まる』ですよ!」
げ、限定!これほど心に強く響く言葉はない。今の季節しか食べられないのである。私は迷わず「お抹茶と栗まる」をお願いしたのであった。
栗あんの中に包まれた大粒まるごとの丹波栗。本店ビルにある工場で、熟練の職人さんによって一枚一枚手焼きされたきめ細やかな調布生地。どれをとっても垂涎の品ではないか!気がつけば栗まるはお腹の中に全て収まっていた。最後の一口は至福そのもの、無くなってしまえば悲しみ一杯...
 
●京菓子手作り体験教室
私がのんびりとお茶を頂いている最中、修学旅行の引率先生らしき人が現れた。「体験教室にうちの生徒が...」
ムム、体験教室?早速、若山店長に質問してみると...
「そうなんです、体験教室もあるんです。季節に応じた上生菓子を作る体験なんですよ。もちろん、お作りになったお菓子はお土産にもなります!」とのこと。この日も何組かの希望者が上の工房で体験されていたそうだ。

以下、詳細である。
私は一人で伺ったので残念無念であったが、人数がそろえばぜひ体験してみたいところ。オススメである。

■人数: 5~20人(応相談)
■料金: 一般2000円(2種各2個)
学生1500円(1種3個)
※ 消費税別です。
■時間: 10:00~17:00(11:00~14:00は除く)
■休日: 日曜、GW、祇園祭期間、年末年始
■時間: 約50分
■申込: 電話orFAX(3日前までにご予約下さい)
※観光シーズンは混雑が予想されるので、早めの予約がGOOD!

●さりげない気遣い
店内を彩るのは決して派手ではない野の花。
決して押しつけがましくない、店員の皆さんの心地よい気遣い。
洗練されたさりげなさである。

「本店に来られたお客さまに、お菓子からだけでなく、店全体から季節を感じてもらえるようにしたいですね。また、本店に来た甲斐があった、と感じて頂けるようなお店作りを目指しています」

とは、若山店長の言葉。

「今の時代、十人十色ではなく一人十色なんだ、とは当社社長の言葉。それぞれのお客さまが持っていらっしゃる様々なニーズに応えられるように頑張っています!」

これからはぜひ本店で買い物を。そう思わせるひとときであった。