●「天神さん」の向かい側 |
毎月25日に開かれる「天神さん」で賑わう北野天満宮。それ以外の日は実にのんびりと静かなものである。
鳥居を眺めながら、今出川通りを渡って路地を入ると静かな古い街並みの中に「MONICA」とシンプルな看板が。町屋が軒を連ねる界隈で、コンクリートの壁を目印に歩くといい。 |
●ケーキと言うよりデザート |
北野にMONICAがオープンしたのは約10年ほど前。「ケーキ屋のケーキ」ではなく「デザートをテイクアウトするお店でありたい」と言うコンセプトを元に、厳選した素材で作られているケーキは約60種。季節ごとに旬のフルーツをふんだんに使われていて、ボリュームたっぷり。ケーキやムースはどれもこれも、トレーからあふれ出しそうにフルーツが散りばめられていて、ショーケースはさながら花畑のようである。
テイクアウトはもちろん、店内には喫茶もあるので入り口そばのショーケースで実物を見てからゆっくりと店内で食べることもできる。 |
●こだわりの紅茶とケーキでくつろぎのひととき |
店内はそれほど広くなく、ベージュの壁に暗く落ち着いた色合いの床とファニチャー。
床と同じ色の作りつけの棚で引き締められている。そこには店内で流れるBGMのCDや、カップやトレーといった食器類。そして、「FAUCHON(フォション)」の紅茶の缶がぎっしりと並べられている。
飲み物のメニューを見て納得。アップルティーやアプリコットティーなど、フレーバーティーが豊富なのだ。アップルやグレープフルーツといった、フレッシュジュースも数種類ある。
ムースやブラマンジェなどは、小さなガラスの器に入っているのだが、テイクアウトした後、もう一度店へ器だけを持っていくと50円で引き取ってくれる。店内で食べるときは、もちろん器の価格を引いた分でいただける。リサイクルに対するお店の気持ちがうかがえて、なんとも気持ちいい。
ケーキの他に、季節ごとにパフェのメニューも豊富にある。どれもアイスクリームやフルーツでボリュームたっぷり。
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さて、肝心のケーキである。今日は季節柄「栗とチョコのミルフィーユ」と「フルーツ畑」をいただく。
ミルフィーユは、マロンクリームとカスタード、モカ、そして生クリームがサクサクとしたパイ生地の間にぜいたくに使ってあり、クリームの中にはさっぱりとしたシロップ漬けの栗がふんだんに入っていた。けして甘くなく、クリームの柔らかい舌触りとパイ生地のしっかりとした歯ざわりの妙が楽しい。
フルーツ畑は名前の通り、なし、メロン、黄桃、ぶどうなど、フルーツがたっぷりとトッピングされている。ふんわりとしたスポンジケーキを生クリームとクラムが覆っていて、口にするごとに舌触りや歯ざわりが変わって楽しい。口の中に香ばしさが残るのが不思議で、ふとクリームを見るとクラッシュアーモンドが混じっていた。フルーツもトッピングだけかと思っていたら、スポンジの中にバナナが入っていてこれにも驚かされた。
いずれも、見た目はそれほどでもないのだが食べていると意外とボリュームがある。ケーキ好きの人はいくつ食べられるかチャレンジするのもいいかも。
ショーケースを見ていて非常に気になったのが「パーティーシュー」。
幼児の顔くらいあるシュークリームの中に、小さなシューがクリームたっぷりの中にはさんである。いったい何人くらいで食べるんだろう・・と興味津々で眺めていた。
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●天神さんの日には |
毎月25日の天神さんの日には、店頭でシュークリームの販売もある。天満宮の帰りに少しだけ足を伸ばしてみるのもいい。ただし、混雑が予想されるので早めに来るほうがいいだろう。 |