TOP  > 京都のグルメ情報  > 古都の懐に抱かれてみやびに食する  > 美濃吉本店 竹茂楼

京懐石

「美濃吉本店 竹茂楼」
みのきちほんてん たけしげろう

■所在地 京都市左京区粟田口三条広道上ル
■電話 075~771~4185
■営業時間 【昼】 11:30AM~ 2:00PM
【夜】  5:00PM~10:00PM
土・日・祝は中間休まず営業(9:00PMまで)
■定休日 年中無休
■席 4名 ~ 80名
■懐石料理 

【昼】 7,350円~15,750円(税込)
【夜】15,750円~31,500円(税込)
*別途サービス料 昼10%、夜20%

数寄屋造りの別世界
三条通りから少し入ると、閑静な住宅地が広がる粟田口。そこに竹林に囲まれた数寄屋造りの建物がある。京懐石の美濃吉・本店『竹茂楼』である。ここは平安神宮や市立美術館、南禅寺にも程近く、観光客が多く散策を楽しむコースの途上でもある。
本店『竹茂楼』は約15ヶ月の工期をかけて1992年4月に開亭した、比較的新しい建物だ。美濃吉は1716年、享保の時代に佐竹十郎兵衛が美濃の国から京へ上り、三条大橋のたもとに茶屋を開いたのが始まりである。爾来当主は近年まで「美濃屋吉兵衛」を名乗ったため、明治から「美濃吉」と呼ばれるようになった。
亭内に一歩踏み込むと、竹林の醸し出す清々しい空気とさらさらと鳴る葉擦れの音に、思わず心が洗われるようである。数寄屋一階は中広間「松重(まつがさね)」をはじめとする6つの座敷とバーラウンジ、二階は大広間「七重(ななえ)」をはじめとする6つの座敷からなり、どの部屋からでも庭が見える。また別棟に合掌館、お茶室を備え、まさに雄大な別世界の感がある。
京都・美濃吉本店 竹茂楼
四季のうつろいを演出
京都・美濃吉本店 竹茂楼  各部屋に掛かる軸は、すべて女将である佐竹由紀子さんの見立てである。棟方志功画伯の軸など、近現代の巨匠の作品も多い。軸だけではなく、自ら花を入れ、器選びもする。床あっての軸、軸あっての花、お互いの取り合わせを大切に考える。料理を引き立てるために、器選びは特に重要だ。夏は涼しいように、冬は暖かいように、四季によって演出を変える。器と料理を一体に見立てるところが京料理の神髄だ。「ただ料理を出すだけではなく、食を通じて日本文化、京都の良さを伝えられたら」と女将さんは言う。「物があふれている今の時代に心の安らぎを」という訳だ。
言葉の前に心ありき
京都・美濃吉本店 竹茂楼
豊かな味わいの「鱧おとし」と「くず打ち」
 本店『竹茂楼』の料理は料理長・安海氏の手になるものである。今の時期では鱧、鮎、賀茂なす、万願寺とうがらしなど夏の京野菜をふんだんに使って料る。特に字のごとく豊かな味わいの鱧は、夏に最高の味を見せる。「落とし」や「くず打ち(椀物)」など、淡白な中に良く行き届いた小味が隠れている。この鱧料理を食べるために京都を訪れる客も少なくない。素材の旨さを引き出す仕掛けをいかに施すかが、京料理の良さであり料理人の腕の見せどころである。
もうひとつ、美濃吉を語るときに忘れてはならないのが鰻料理である。美濃吉は海から遠い京の地にあって、鴨川や桂川の質の良い魚を使った川魚料理を発展させてきた。わけても鰻料理の旨さでは、古来その名を知らぬもののないほどである。7月は「櫃まぶし」、「茶漬け」、「山椒煮」などが献立にあがる。それぞれが味・香りとも上品な出来栄えの逸品で、夏の暑気払としても打ってつけの料理である。



京都・美濃吉本店 竹茂楼
女将の佐竹由紀子さん
一方で美濃吉は新しいメニューの開発にも積極的である。総料理長の佐藤氏を筆頭に、日夜研究に余念がない。ただ新しいものを追い続けるのではなく、伝承すべきものは体得させて料理人を育ててゆく、独自の教育体系を持つ。「言葉の前に心ありき」を胸に秘め、最高のもてなしを探求して止まない美濃吉を、「日本の食文化を担う京の雄である」と言っても決して過言ではない。

京都・美濃吉本店 竹茂楼
竹茂楼の京懐石料理
■懐石
紅 (くれない)
蘭 (らん)
茜 (あかね)
桐 (きり)
15,750円(税込)
21,000円(税込)
26,250円(税込)
31,500円(税込)
■昼懐石
華 (はな)
翠 (みどり)
紫 (むらさき)
紅 (くれない)
7,350円(税込)
10,500円(税込)
12,600円(税込)
15,750円(税込)

*別途サービス料 昼10%、夜20%

季節感の中に、京の風情を色濃く盛りつける美濃吉の京懐石料理。
料理と器の取り合わせの妙、洗練された店のしつらえ、目にも美しい竹庭・・・それらを一体として表現しているところに奥深いもてなしの心がある。



【地図】

京都・美濃吉本店 竹茂楼