冬はふぐ、夏は鱧の専門店 「まる伊」 まるい
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味どころ「まる伊」のはじまり | |||||||||||||||||||||
丸・竹・夷・二・押・御池と通りを歌う童歌にある二条通に面し、烏丸通から東に歩いて3分、路地の奥に「まる伊」がある。離れ屋の町家を改築した「まる伊」は京都のど真ん中にありながら、表通りの喧燥は全く聞こえてこない。 |
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こだわりのおもてなし |
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露地に導かれた閑静な町家にかかる暖簾は、かの有名な寺島寿己恵さんの作品で店の風格を感じる。暖簾をくぐると、正面に歌舞伎役者五代目「中村富十郎」氏から、開店祝いに贈られた「朱のくまどり」が飾られている。 |
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鱧づくし | |||||||||||||||||||||
まず、「鱧の前菜6種」。肝、おとし、たたき、白子、糸造り、寿司の様々な食し方のオンパレード。白子は、50匹のうち1匹の割合しか持たない貴重品だが、「まる伊」では充分に味わえる。贅沢三昧と感じる前菜である。次は「焼き鱧サラダ」、「カレー風味の衣で揚げた鱧とトマトサラダ」が登場。カレーのピリ辛とローズマリーで風味付けされたドレッシングの愛称がぴったり、こんな味わい方もあるのかと楽しい気分になる。 「まだコースの3分1しかお出ししてませんよ。どんどん食べてくださいね。」と主人の声がする。 そして「鱧の石焼」。焼いた平らな石の上で、鱧の薄造り、そして珍味の浮き袋が踊り出す。その瞬間「さあ順番にとってくださいね。焼きすぎたらあきません。」とちょうど良い食べごろのタイミングで声がかかる。一味入りポン酢で歯ごたえを感じたかと思うと次は、網焼きが待っている。ポン酢に付けた薄造り、わさびをたっぷりつけた切り身、そして皮が網の上で、じゅうじゅうと油が焼かれるのを目で楽しみ、舌で味わう。人間の五感が全て満たされる。 一息つくと、次は豪華な鱧しゃぶ。昆布だしでみたされた鍋は「まる伊」特製の清水焼き。鱧の糸造りをだしに白ねぎ、まつたけをたっぷり入れ、煮立ったところに薄造りを数回しゃぶしゃぶと泳がせる。この回数でいろいろな歯ごたえが楽しめる。三つ葉だけでいただくしゃぶしゃぶも、あっさりとした味わいで嬉しい。最後に鱧の濃厚なだしにうどんを入れて食し、デザートのブランデーと蜂蜜づけにしたグレープフルーツでしめくくる。 主人の知り尽くした鱧へのこだわりが本当に感じられ、心もお腹も満たされる至福のひとときであった。また、持ちかえりの鱧寿司は、家族の土産に最適で、ここにも主人のおもてなしの心配りを感じた。 10月初旬には、「ふぐ」づくしの料理が始まる。このコーナーで紹介するので、楽しみにしていただきたい。
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【地図】
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