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冬はふぐ、夏は鱧の専門店

「まる伊」
まるい
■所在地 京都市中京区二条通り間之町東入ル
■電話

075~213~2841

■営業時間

PM6:00~(入店はPM7:00まで)

■定休日 日曜日・祝日(不定期)
■お席 座敷 1階4~6名、2階4名~12名
■お料理 お一人 21,000円(税込)
(料理の内容は、仕入れ状況等により多少変わることがあります。)

※鱧づくしは、5月7日より開始予定
■予約 *予約は2名様から承ります。
■その他 お支払いは現金のみ
味どころ「まる伊」のはじまり

 丸・竹・夷・二・押・御池と通りを歌う童歌にある二条通に面し、烏丸通から東に歩いて3分、路地の奥に「まる伊」がある。離れ屋の町家を改築した「まる伊」は京都のど真ん中にありながら、表通りの喧燥は全く聞こえてこない。
 ここの料理は、夏は「鱧」づくし、冬は「ふぐ」づくしだけである。しかも鱧やふぐが本格的に市場に出回る時だけ、店を開く。つまり鱧とふぐの端境期には店は開かない。「旬の味だけにこだわりつづけ、旬のおいしさだけをお届けしたい」という主人の真の心意気からだ。
 それもそのはず、主人の伊藤氏の本業は、錦市場で「鱧」「ふぐ」専門の魚屋である。鱧もふぐも最高級品しか取り扱わない主義で、京都の高級料理店に卸している。しかし、実際その選別された素材があまりにも料理に生かされてない事、高価な値段で提供されている事に疑問を感じたのをきっかけに、奥様と二人三脚で専門店を開くことを決意する。平成5年10月15日から、味どころ「まる伊」の歴史がはじまる。

こだわりのおもてなし

 露地に導かれた閑静な町家にかかる暖簾は、かの有名な寺島寿己恵さんの作品で店の風格を感じる。暖簾をくぐると、正面に歌舞伎役者五代目「中村富十郎」氏から、開店祝いに贈られた「朱のくまどり」が飾られている。
 店は完全予約制で、一席一席心を尽くしたおもてなしに徹している。部屋は、座敷が1階と12名ほど入る2階の2部屋だけある。木の香が薫る気持ちのいい座敷である。一見さんお断りだからこそ、顔なじみの客が多く、東京からも著名人がよく来る知る人ぞ知る店である。
 最高級の素材を使い、主人自ら今までの常識を打ち破る斬新なメニューを考案し、いかなる健啖家も満腹し、満足する料理しかださない。京都の夏は鱧の美味しい時期。それでは鱧づくしの料理を案内するとする。

鱧づくし

肝、白子、おとし、たたき・・・など

焼き鱧サラダ
もちろん注文できる料理は、鱧づくしのコースのみ。一人前に2匹あまりの鱧を料理するとの事。そして主人が段取りしたとおりに食し、料理に合わせてビール、白ワイン、清酒を飲むのがこの店のルール。お酒は、料理を引き立てる脇役でしかない。
 まず、「鱧の前菜6種」。肝、おとし、たたき、白子、糸造り、寿司の様々な食し方のオンパレード。白子は、50匹のうち1匹の割合しか持たない貴重品だが、「まる伊」では充分に味わえる。贅沢三昧と感じる前菜である。次は「焼き鱧サラダ」、「カレー風味の衣で揚げた鱧とトマトサラダ」が登場。カレーのピリ辛とローズマリーで風味付けされたドレッシングの愛称がぴったり、こんな味わい方もあるのかと楽しい気分になる。 「まだコースの3分1しかお出ししてませんよ。どんどん食べてくださいね。」と主人の声がする。
 そして「鱧の石焼」。焼いた平らな石の上で、鱧の薄造り、そして珍味の浮き袋が踊り出す。その瞬間「さあ順番にとってくださいね。焼きすぎたらあきません。」とちょうど良い食べごろのタイミングで声がかかる。一味入りポン酢で歯ごたえを感じたかと思うと次は、網焼きが待っている。ポン酢に付けた薄造り、わさびをたっぷりつけた切り身、そして皮が網の上で、じゅうじゅうと油が焼かれるのを目で楽しみ、舌で味わう。人間の五感が全て満たされる。
 一息つくと、次は豪華な鱧しゃぶ。昆布だしでみたされた鍋は「まる伊」特製の清水焼き。鱧の糸造りをだしに白ねぎ、まつたけをたっぷり入れ、煮立ったところに薄造りを数回しゃぶしゃぶと泳がせる。この回数でいろいろな歯ごたえが楽しめる。三つ葉だけでいただくしゃぶしゃぶも、あっさりとした味わいで嬉しい。最後に鱧の濃厚なだしにうどんを入れて食し、デザートのブランデーと蜂蜜づけにしたグレープフルーツでしめくくる。
 主人の知り尽くした鱧へのこだわりが本当に感じられ、心もお腹も満たされる至福のひとときであった。また、持ちかえりの鱧寿司は、家族の土産に最適で、ここにも主人のおもてなしの心配りを感じた。
 10月初旬には、「ふぐ」づくしの料理が始まる。このコーナーで紹介するので、楽しみにしていただきたい。

薄造りの石焼

切り身の網焼き

鱧しゃぶ


【地図】