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■祇園の中の名物家庭料理。

四条花見小路の一力の角を曲がって店に入るとおかあさん(山田勝子さん)の元気な声がした。
「ああ北さん、こんにちわ!」
おかあさんの元気にはいつも圧倒されるがこれも名物だと私は思っている。
「京都の人やったらお家でたべる料理やしな!」
でも、そんなおばんざいが好評で人気の店だ。
 


■家庭的な雰囲気の店内。
店の看板には「御飯處」とあるように
20人位が入れる、親しみやすい店内だ。
「私は写さんといてな!」と勝子さん。
カウンターの中で、北さんの注文を用意していた。
・・・もとは看護婦さんだったそうで
「まさかこんな風になるとは思わんかったわ」と
懐かしそうに昔話をしてくれた。

■愛情いっぱいの季節の一品!
ここでは主に、定番の一品物と季節の一品物があり
旬のものは、ごらんの黒板に書かれている。
「汚い字やし写さんといてや!」また奥から元気な声がした。
どちらのメニューにも金額はない。
これがこの店のスタイルなんだと納得する。
北さんは、ここから季節の物を注文した。


■これぞおふくろの味!
「白ネギの芯が飛び出るから
もともと“てっぽう”といったそうですよ」と北さん。
これは“てっぱい”とも呼ばれている懐かしい味の一品だ。
私の家では“ぬた”と呼んだが、
懐かしい“おふくろの味”の代表的な一品!
味加減がなんといっても絶妙な一品だった。

■ちょっと早い春を楽しむ!
とても鮮やかな色だ!
からしの具合もちょうどいい!
“もうすぐ春ですよ!”そんな気分になる一品だ。
梅が咲き、桜が咲いて、もうすぐ日本にたくさんの春が来る。
どうか明るい春が、たくさん来ますように!!
山ふくさんで“春ひとつ”いただきました!

■二人、好物に感激!

「これはおいしいですよ!」
「私も好きなんです!」
撮影が終わった“たいの子”を二人で食べた。
私は木の芽と一緒に食べたんだがこれがいい!
若葉の香りとたいの子の甘さがぴったりだった。

■素朴な味付けが最高です!

“まるだいこん”正式には聖護院大根といわれるものと
あぶらあげを炊いたもの。私の家の味付けより少し薄めだが
大根は甘く、私の好物のあぶらあげと仲がいい!
きざんだゆずと一緒にいただくとなんとも上品だ。
日本料理は、ほんとに繊細だな!と改めて感心する。

■おばんざいの代表選手!
野菜とあぶらあげの炊き合わせですが
これを京都の人は“なっぱのたいたん”と呼んでいる。
これもだいこん煮と同じくとても相性がいい一品だ。
豆腐のことを“おとうふさん”とは呼ばないが
何故か、あぶらあげを“おあげさん”と京都の人は呼ぶ。

■一家に一味・・・母の味!
ジャガイモの好きな北さんが追加で注文した“肉じゃが”
これは日本の家庭料理の代表的なものだと思う。
ジャガイモが煮崩れたほうが好きな人
しっかり歯ごたえがある方が好きな人
それぞれの家によって好みは色々だ。
連想ゲームなら、「肉じゃが」→「家族」である。
北さんは、家族の愛に恵まれた人のようだ!

季節の炊き込みご飯 ¥1000

■季節ごとに楽しみたい逸品です!

この日の炊き込みご飯は、“たけのこごはん”
いや~!これはうまかった。
・・・また“春ひとつ”いただきました!
どんなお客さんが多いんですか?の質問に
若い人が多いと聞かされ、すこしホッとした。
山ふくがある限り、日本の家族愛は永遠である!
それにしても、漬物の量は半端やないな!

■日本の未来はここからはじまる!?
「昼は20食限定やしね!」
出て行くお客さんにそんな声をかける勝子さん。
20人のお客さんが入れば、暖簾を下げ、店を閉める。
ご覧の物がこの日の“昼セット”だ!値段は¥1800。
「女の子でもお替りする人いるよ!」と勝子さん。
京都に来て、ここで腹いっぱい食べた女性たち!
日本の将来、よろしゅうお頼申します!
   
■店情報
店名 山ふく
住所 京都市東山区祇園花見小路四条下ル一筋目東入
電話 075-551-0876
定休日 毎週火曜日 
営業時間 昼 12:00~14:00※昼セット20食のみ
夜 17:00~22:00(LOは21:30)


案内人)北 俊彦  文)八田雅哉  撮影)北住邦彦