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前回に続いて、「もう少し割烹を味わってみたい!」
そんなリクエストに北さん快く応えてくれた?
実は、北さんしばらく自分だけのお店にしておきたくて
「あまり紹介したくないな!」が本音だった。
ならばなおさら教えてもらいたい・・・ということで。
今回は、先斗町24番路地奥2階の「つか本」さん。
(2008年6月より移転)
「北さん、ここちょっとわかりにくいね!」
24番路地といっても標識など見当たらないし
木屋町へ通じていない行き止まりの路地だ。
近くの目印は、先斗町四条から50m程上り(北へ)
西側(左側)にある「よーじや」。
24番路地はその北側の古くて狭い路地。
しかも入ったからといって店はすぐに見つからない。

24番路地
「つか本」看板

突き当たりまで入って見あげるとある看板に
ネオン瞬く夜に、この店を初めて訪ねるとしたら
ちょっと足を進めるのに躊躇するかもしれない。
左に折れる階段を昇ると「つか本」があった。
中はカウンター5席と4人席のテーブルがひとつ。
これまで取材したお店の中でもかなり小さい。
テーブル席はあるものの、メインはカウンター。
ここが北さんが教えたがらなかった店だ!
私たちを迎えてくれたのは、塚本秀雄さん34歳。
「なんと、穏やかでやさしい感じの人だろう!」
それが、塚本さんの最初の印象だった。

「つか本」カウンター
塚本秀雄さん
「つか本」主人 塚本秀雄さん
塚本さんは18歳で京都の料理界に入り、
その後、数店で修行をかさねた。
「13年間、いろいろなお店で勉強させてもらい
多くのことを教えていただきました。そして、
3年前になりますが、お客さんの表情を見ながら
自分の料理を披露してみたいと思い店を開きました。
予約いただいたお客様のために、その日の料理を考え
買い物をするのが、今はとても楽しいんです」・・・と
思いやりと、心のこもった言葉で語ってくれた。
「ところで北さん、どうしてここを?」
「いやね!1年前にこの店のことを本で読んで
塚本さんの料理に対する考え方に共感したんです。
それで、一度行ってみたいと思ったんです。
それから、ちょこちょこ通うようになりました。
いろいろ友達に紹介するんですが、評判が良くてね!
ここの料理は、その時々で創意工夫された
おまかせのコースですが、今日は三品をお願いしました」
自信満々の北さんの表情に期待が膨らむ!
「ビールください!」
北さん、食事の前においしそうにビールを飲んだ。

『こう一』主人 有吉秀和さん
鱧あぶり、車えび、新たまねぎ、すだち、ジュレ
■鱧あぶり、車えび、新たまねぎ、すだち、ジュレ
「本で見た料理がちょうどこんな感じでしたね!」
北さん1年前のことを思い出しているようだ。
「うん、おいしいね!」と北さんご納得の様子。
「新たまねぎも一緒にどうぞ!」と塚本さん。
いい空気が二人の間に漂った。
素材の鱧、えびとジュレ、酸味のバランスがいい!
とても繊細で優しく、まとまった一品だった。
「熱燗もらえます!」と北さん
美味しいものを食べたときの幸せそうな表情だ。
■鯖寿司
「北さん、穴子か鯖、どちらにしましょうか?」
「う~ん、鯖にします」と北さん
そして出てきたのがこの鯖の棒寿司。
鯖、塩、米、酢、見事なあんばいの仕上がりだ。
「旨い!」北さんも私も、思わず声を出した!
「ありがとうございます」と塚本さん
「この丸い形もいいね!」と北さん大満足!
そして、その場は、いろいろな寿司のことから、
産地、旬の食材のことなどへと話は広がった。
料理だけでなく、お客と交わすいろいろな話と
料理人の人柄も馳走のひとつになった。
鯖寿司
あぶらめと破竹の煮おろし
■あぶらめと破竹の煮おろし
「次は何です?」と北さん
「あぶらめと破竹の煮おろしをお出しします」
「椀物ではなく、煮おろしですか」と北さん
あぶらめは一度油で揚げられ、このように仕上がった。
「こうして食べるのも美味しいね!」と北さん
「ここのコースでは、9~10品が出るんですが
"ちょっとこれは..."と思ったことがないんです」
と北さん・・・珍しくはっきり言い切った。
確かに「つか本」は是非もう一度訪ねたい店だった。

「北さん、割烹でもう一軒紹介してくださいよ」
「もう一軒ですか?あまり教えたくないんですがね!」

・・・・次回もお楽しみに!

■店情報
ヴィラージュ
店名 つか本 定休日 水曜日
住所 京都府京都市東山区祇園町南側570-120 営業時間 午後6時より(完全予約制)
電話 075-525-8808 料金 コース¥10,000~

案内人)北 俊彦  文)八田雅哉  写真)八田 雅哉 高嶋基久子