今回は、京野菜の料理を追いかけて 北さんと東京に行った話です。 題して、特別篇「北さんのプチ旅行」。 さて、どうして北さんと旅行をしたかというと 実は、東京での「樋口会」という催しに誘われたから。 この樋口会というのは、 京野菜農家の樋口昌孝さんが主催するもので 「自分の作った野菜を、いろいろな人に食べてもらい、 野菜の美味しさを知ってもらいたい」という趣旨から 始まったもの・・・・なんといっても、 樋口野菜に挑む料理人の逸品が味わえるとあって 楽しみにしていたイベントだ。 目的の場所は、東京日本橋!いざ出発。 |
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北さん(左)と樋口さん(右) |
■2日前の電話 「ところで、昼は蕎麦か天丼、どちらがいいです?」 「何のことです?」 「それによって行く道が変わります!」 「???・・・・」 「いやね!蕎麦なら中央道、天丼なら名神です」 なるほど・・・。 天丼も捨てがたいが 私は、蕎麦(+景色)コースを選んだ。 |
蕎麦処丸富 |
京都~東京間のほぼ真中、駒ヶ根ICで降りて 雪の中にひっそりと佇む蕎麦処丸富さんに着いた。 こだわりの雰囲気がする、期待できるぞ! 細麺の蕎麦と少し太めの粗引き蕎麦2品と 北さんは地鶏のつけ蕎麦、 野菜を追う旅にふさわしいのではと、 辛味大根蕎麦も頼んだ。 このお店、以前は飯田駅の前にあったようだが 今は、水にこだわりこの山里に店を移したそうだ。 蕎麦通にはたまらない店として知られる丸富さん。 さすが、味の方もなかなかのもので期待通り。 まあ!何処へ行くにもこだわりの北さんですが お陰でいい昼食になりました。 ※丸富さん情報は、ネット検索でいろいろ出てきます。 昼の営業時間は、11時半から3時頃までとありますが 品切れ次第閉店です。(火曜定休) |
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地鶏のつけ蕎麦 | |||
辛味大根蕎麦 | |||
中央道は諏訪を過ぎた辺りが高速道路での最高地点。 ここからは、ゆっくりと下り坂が続いて東京方面へ向かう。 山梨県に近づくと右手前方に富士山が見えてくる。 名神からの富士山も迫力があるが 私は、少し遠慮気味のこちらの富士山が好きだ。 |
■日本橋の「ゆかり」さんに到着 ご主人の、野永喜三夫さんは、 京都の菊乃井さんで修行した方。 修行1年目は、樋口さんの農場に野菜を採りに行くのが日課。 野永さんは、樋口さんの作業を手伝うこともあったという間柄で 是非、東京でという願いが実現して今回の樋口会になった。 ■金時人参スープ 甘味と香りを楽しむ金時人参の濃厚なスープで料理は始まった。 私の席は、京都方面の参加者が中心で6人。 他には、料理関係の雑誌の取材や テレビの関係者もいて総勢70名程。 いささか大宴会状態だが みなさん、なかなかの食通とお見受けしました。 |
■贅沢お浸し 畑菜、みず菜、ほうれん草に低温調理された鴨ロース。 野菜を生かした料理が続きます。 ここで突然、事件です! 私の前の席が空いていたんですが、 少し遅れて席に着いたのが飯星景子さん! どうしてここへ?・・・ まあ、理由はともかく、ラッキーだ! 長旅に同行した甲斐があった。 |
■蕪みぞれ椀 それにしても、目の前にきれいな女優さん(作家さん)だ。 小心者の私は、緊張して料理どころではなくなった。 そんな私を気遣って、北さんが紹介してくれた。 やさしい笑顔で応えてくれた飯星さん、 ・・・虜になった! ちょっと落ち着いたところでいただいたこの料理。 蕪の美味しさはもちろんだが、 雲子のあられ粉揚げがなかなか工夫されている。 油との相性がとても良かった一品だ。 |
■造り 二種盛り 高級な米沢牛もネギトロも美味なんですが、 やはり、飯星さんの美貌には敵いません! ・・・少し料理が進んだところで新たな不安。 飯星さん、かなりお酒がいける! バリバリの阪神ファンは周知だが この人、こっちの方面でも半端やないぞ! |
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造り 二種盛り |
■焼物 鶏の南蛮焼は、しっかりとした味付けでお酒に合う料理。 上にのった葱の天ぷらもその香りと風味がとてもいい。 当然、お酒も進み、場は盛り上がる。 また、この日のお酒が、なかなか飲めない代物らしく 一同、美味しい美味しいを連発。 「ぬる燗がいいですね」と飯星さん。 ・・・ぬる燗? この人、正真正銘の酒通だ! ・・・ヤバイ!私は下戸である。 |
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焼物 鶏の南蛮焼 |
■留物 博多蒸し 多少なら、酒を舐めて、顔を赤らめてごまかせるんだが あいにく、この後、 北さんと樋口さんを乗せて小田原までの車移動。 生すぐき煮に挟んだあん肝香味蒸し。 そんな小さくはないが、 食べるのに夢中な振りをして二口で食べた。 しかし、ここで、歪んでは男がすたる! |
■そもそも北さんとの関係は? ”清水の舞台から・・・”の心境で 私は、飯星さんに話し掛けた。 「テレビのお仕事でご一緒したんですよ! 私は、食べるのが好きなんで いろいろお世話になったのがきっかけですね」 「どのくらいになるんですか?」 「6年ぐらいかな」と北さん。 それから、お友達としてのお付き合いが続いているそうだ。 どうです!いい雰囲気のお二人でしょ! でも、けっして誤解のないように、 この二人、色気ではなく、食い気繋がりのようです。 |
飯星さん(左)と北さん(右) |
■任務続行! 白菜漬物寿司と葱蕎麦鮪仕立・・・。 お寿司はさっぱりとした味で美味しくいただけたが 「ネギマ」と呼ばれる「ゆかり」さんの名物料理は、 ご覧のように、稲庭うどんと組み合せてこのボリューム。 葱が蕎麦風に仕上げてあり、風味もいいんですが さすがの私も食べきるのがやっと。 他の面々はというと、無責任にも食い気より酒。 おいおい!京野菜は何処へ行った? ・・・「ぬる燗 2本!」 私は取材目的を遂行すべく任務を続行したが この席は、すでに酒宴と化した! |
やっと辿り着いたデザートは このお店の名物、 酒粕プリンときな粉アイス。 酒粕は春の園遊会でしか飲めない お酒からとったもので はじめて味わった絶品でした。 任務貫徹! |
■取材を終えて |
「北さ~ん!」 大きく手を振る飯星さんと別れ、小田原へ車を走らせた。 北さんと飯星さんの出会い。 樋口さんと料理人野永さんとの出会い・・・。 京都の魅力を改めて実感した旅でした。 「北さん 次は?」 「京都に戻り、樂家ずしさんにお連れします」 文と写真:八田雅哉 |
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京都のグルメ「食べる」
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京都のグルメ「呑む」