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■「さか井」には驚きがいっぱいだ!


暖簾をくぐり、戸を開けて驚いた!
店の中に踏み込もうと思っても、そのもう一歩が出ない。
店の中は、5人も座ればいっぱいのカウンターだけで
白い座布団の敷いた長いすと居酒屋にあるような
ちょっと高めの赤い椅子が3つ程。
まして、入った時はお客さんが3人居て大混雑である。

「取材よろしくお願いします!」
もう女将さんの顔は目の前にあった。

   
■なんと親しみやすい雰囲気だ!

「どうぞ座って」と女将さん。
お客さんも居るのにいいのかな?
先に入った北さんは、店の隅っこにちょこんと座っている。
「邪魔なら椅子外に出したらいいわ」
正直、まったく動きが取れないので女将さんに従った。

北さん、私が驚いて動揺しているのを見てニンマリだ。
今回は、最初から、北さんの罠に嵌ったな!・・・

目の前の壁に妙な存在感のある品書きがあった。
ざっくばらんで、親しみやすい!
さてさてどんな寿司が出てくるのやら・・・

■ほんとに寿司屋さん!?

ここはほんとに寿司屋さん?
と思いたくなるような状況で取材を始めた。
「北さん何がおすすめです?」
「穴子丼・ミックス丼・僕はいつものにぎりに巻き寿司をつけて、それと鱧寿司にしましょ!」

外観を撮影して、入ってきた北住くんは
私以上に動揺を隠せない。
場所の選択の余地なく撮影開始。

・・・まもなく、穴子丼が出てきた。

■名物 『穴子丼』!

撮影用に海苔のかかっていないものを
用意していただいたが、本物はこれだ!
最後に、あぶりたての海苔が女将さんの手の中で
こっぱみじんになって上にのる。

大きい体を何とか座わらせて試食。
これが旨い!さすが名物だ・・
穴子は天然モノで、ネタは新鮮だ。
それに、寿司飯がまたいい味加減だ。

「やっぱり素材へのこだわりが一番です」と北さん。

すべてに飾りのない!?寿司(素材)本位の店だ!
直球勝負!それがさか井の魅力のようだ。

■贅沢素材満載の 『ミックス丼』


旨いですね!
「鱧(はも)寿司はもっと美味しいよ!」と女将さん。
楽しみは後に残して、二品目のミックス丼だ。

「ミックス丼には何がのっているんですか?」
「うに、いか、たい、よこわ、えび、貝柱・・・
そんだけやったかいな?」と女将さん。
「そんなもんかな」とご主人・・・夫婦漫才だ。

「早よ撮影してあんたも食べてな!味が落ちるし」
従順に・・・「はい!」と撮影担当北住くん。

女将さんは、店に入った時からずっとしゃべっている。
状況判断も的確で、色々な話題を見事に振り分け
接客も、新鮮ネタ一杯の「ミックス丼?」状態だ。
これもまた、ここの名物に違いない。
・・・私は大いに気に入った。

■北さんの 『にぎり盛り合わせ』


かんぴょうと椎茸等の味がしっかりした海苔巻。
海苔巻の端は、具がいっぱいで得だとご主人。
北さんは、いつもはこれで、中でも鯵(あじ)のにぎりは
よくしまったものが好みらしく、それがないときは
ミックス丼を注文するらしい。

昼にちょっと寿司をというときに
本格的なものを、実に気楽に味わう。
ここならそれができる・・・なるほど
味にうるさいお客さんが多いのも納得できる。

「ネタが良かったら寿司はおいしんやけど
うちは、お母さんの寿司飯もいいんです・・・」
女将さんのおっしゃる通りです!
・・・米炊き名人のお母さんにも感謝です。

■京都の夏の名物 『鱧寿司』

さて、京都の夏の名物の鱧寿司なんだが
私はあまりいい鱧寿司に出会ったことがない。
というよりいいものを食べたことがない。

「鱧はやっぱり夏が一番おいしんですが
よくタレでピカッと光った鱧寿司があるでしょ
あれは、みたらし鱧というんですよ!」と北さん。

確かに、みたらしだんご仕上げ風の鱧寿司がある。
タレを食べているようなものだが、私は隠れファンだ。
ならばここの鱧寿司は・・・?

鱧は淡白だが味がある、味付けも鱧の味を邪魔しない。
なるほど・・・素材を知リ尽くしたこれが本物の味か!

さか井の鱧寿司を、ある人は『本焼き』というそうだ。

取材の後半、鱧寿司持ち帰りのお客さんが来られた。  
撮影中ということもあって店内は超満員状態となった。

・・・迷惑の掛けついでにお客さんに話を聞いた・・・

・初めて来られたそうだが鱧寿司ならここだそうです!

・お客さんは名古屋の方、京都での仕事の帰りで
奥さんへのお土産だそうです!

 注)名古屋には鱧を食べる習慣はなく、
東北出身の奥さんは初めて味わうとのことです。


・このお客さんはとても奥さん思いの方です!感動です!

お客さんの協力を得て、
鱧寿司が出来上る工程を撮影させてもらった。

食べやすくするために鱧の骨を切る・・・
いい鱧は焼くと、細かな油がキラキラと光る・・・  
風味を保つために竹の皮で包む・・・そして

愛情一杯のこの鱧寿司は、名古屋へと旅立った。

「遠い所から店に来てくれはります!」と女将さん。

店の歴史は51年。
ここで長くお店をやっているのにはやはり理由がある。
是非お近くにお越し折はお立ち寄りを!
驚きと感動で一杯の寿司屋さんです!!!

※持ち帰り鱧寿司は撮影協力ということもあって
¥6000でした。(通常は時価)


■店情報
店名 さか井
住所 京都府京都市中京区高倉通錦小路下ル西魚屋町
電話 075-231-9240
定休日 不定休
営業時間 11:30~18:30
交通手段 地下鉄烏丸線四条駅から徒歩3分
平均予算 2500円(昼)
   

案内人)北 俊彦  文)八田雅哉  写真)北住邦彦