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千本今出川を少し上った(北へ行った)ところに今回紹介する、京漬物の老舗『近爲(きんため)』がある。
漬物好きなら誰もが知っているところだ。
でもこのお店でお茶漬を食べた人は少ないと思う。
私もその一人で、以前からそう思いながら実現しなかった。
「東京の人なんか連れて行くと喜ばれるんですよ!私もお茶漬けを食べてからその日に買うものを決めるんです」
25年前に、お客さんに味見をしてもらうそんな想いから、食事のできるスペースをつくられたそうだ。

店内に入ると、真ん中に商品陳列台がある。
ここで試食し、好みの物を買う。
陳列台には、その時々の旬の食材の漬物が並ぶ。
周りには贈答用の詰め合わせの商品が展示されている。

私は、買うものがひとつでも、多く試食するタイプだ。スーパーなどでは買う意志がないのに試食する!
その点では北さんは違う!前述したように、北さんのそれはなんとも粋だ。
そんな北さんおススメの「試食」を今回は味わってみる!
「この奥がお座敷です! 最初にここで手を洗って入りましょう!」」と北さん
「何ですかここは?北さん」
「いい雰囲気でしょ!」
店の奥にあるこの空間は高級料亭のようだ。手洗い場もご覧の通りの演出だ。私は少し動揺して、直接溜まった水に手を入れそうになった。水を柄杓ですくい、手を洗う。そしてお座敷へ。
なんとも粋だ!
 
 

中庭に見える奥の部屋にはゆったりと四つのテーブルがある。
お漬物屋さんにこの食事の空間。どんな料理が出るんだろう?
「北さんはいつも何を食べるんですか?」
「ここにはお昼のお茶漬席のコース(2,100円)しかないんです。
お魚の付くコースもあるんですが、そんなに食べられないんで
お漬物だけのコースにしています」
今回は取材でもあるので、魚付のコース(2,415円)にしました。
最初に瓜の奈良漬の小さなお寿司と筍の柔漬。“お茶うけ”としてまずこの二品を番茶でいただく。
このお漬物が、お茶とのバランスが良くて感動する。そして、さらにお茶請けの二品が出た。近爲さんオリジナルの“柚こぼし”にきゅうりの浅しば。柚こぼしは柚の香りと大根の歯ごたえがとてもいい。お茶に合うのでこの時点で私はお茶のお替わりをした。

ご飯の添え物的存在でしか、その存在感がなかったお漬物の印象が見事に変わった!私はお漬物の魅力を始めて知ったような気がした。
北さんは、そんな私を見て「いいでしょ!」と得意そうです。
そして、次に出てきたのが、“白味噌のお雑煮”
「京都では普段お餅を焼くことはありませんが、
ここのお雑煮のこれはいいですよ!」
北さんの言うとおり、その香ばしい香りがいい。
そして白味噌の甘味が、お漬物の塩味の後で最高に引き立った。参った!

 
お好みで選ぶ魚は、“銀だらの粕漬”か“鮭の粕漬”。
今回は“銀だらの粕漬”にした。
この粕漬の魚がとてもおいしい!なんと粋な料理の組み立てだ。お漬物をいただくだけなのに、とても深いものを感じる。細かな、行き届いた配慮が料理にも感じられる。
お漬物の盛合わせ(2人分)が出てきた!
どれもが綺麗な宝物のように見えてしまった。
茄子、昔ながらのたくあん、昆布きゅうり、白菜、昆布味だいこん、奈良漬、あおしそ、大原しば、なたわり、そして真ん中がみょうが。
「塩味を控えたものは、お醤油か胡麻醤油でどうぞ」と説明があった。それぞれの味を説明するのは大変ですので、このお漬物たちと一緒に出た甘めに煮た“切り干し大根”と“ちりめん山椒”“昆布の佃煮”
「お茶漬けの前に、まずはご飯とお漬物で食べてくださいそして、最後に玄米茶のお茶漬けをいただいてください」
ご飯がいくらでもいただけますから・・・」と北さん。
その通りだった!・・・いくらでも食べられます。
今回は、お漬物、再発見!大感動、大満足の取材になった。『日本に京都があってよかった!』そんな広告コピーがあるが 今回はそれを実感した。是非一度ご賞味を!
「京都にこられたお客さんをもてなすにはいいでしょ!」
「ほんとですね北さん」
美人揃いのガールフレンドに囲まれ、北さん笑顔で久々の登場です。
ご馳走様でした!
■店情報
店名 近爲本店 営業時間 販売9:00~17:30(年中無休)
お茶漬け席11:00~14:00(水曜定休 12月1日より1月6日まで休み)


※二人以上の予約 お茶漬席のみ
住所 京都市上京区千本通五辻上ル牡丹鉾町576
電話 075-461-4072(代)

案内人)北 俊彦  文)八田雅哉  写真)北住邦彦