新丸太町通りを西につきあたると 嵯峨の閑静な住宅地。 今回訪れたお店は嵯峨釈迦堂の西側にあった。暖簾が掛かっていなければ、 それがお店だと判断もつかない。 | |||
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お店の中は、奥座敷と手前の部屋の二間。 その奥座敷には、6つの座布団が敷かれていて 床の間には、掛け軸とご主人自らいけられた茶花。 これ以上なにも必要のない、とても清楚なしつらえです。 でも、これから何かが始まるような張り詰めた緊張感も感じます。 さて、今回の北さんのここでのオススメの一品は 嵯峨一久さんの「筏(いかだ)ごぼう」。 私は、精進料理をしっかりといただくのは初めてで、 とても楽しみだ。 でも、紹介するのが一品ではあまりにもったいないと思うので今回は、出てきたすべての料理をご紹介することにする 。 |
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たけのこの木の芽和え |
胡麻豆腐 |
■胡麻豆腐 次は、「胡麻豆腐」・・・モチモチ感がとてもいい。 津田さん「一度でも冷蔵庫に入れると 硬たくなってだめなんです」 Yさん「硬いのがあるからね、 足の上に落とすと怪我するようなやつが・・」 全員・・・??? Yさん「それにしても、わさびの量が半端じゃないな・・・」 おかあさん「横へよけたら、よろしいやん」 北さん「いつもこれぐらい出るんですが、 僕もそうしてます」 確かにわさびの量はご覧のように半端じゃなかった。 ヒィー! ここでYさん「わさびたっぷりで、 侘び(わび)と寂び(さび)がたっぷりあるね」 なるほど・・・。 |
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煮物:たけのこ 揚げゆば ふき 木の芽 |
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揚物:筏(いかだ)ごぼう |
■揚物:筏(いかだ)ごぼう 襖を隔てた調理場からごま油のいい香りがしてきた。 さあ!北さんオススメの「筏ごぼう」の登場。 Tさん「いつも野菜を売ってはいますが、 このように野菜をいただく機会があまりないんです」 「う~ん、ごぼうがもう、ごぼうでないですね。 別のもののようです」 しばらくごぼうについて八百屋のTさんの解説があり、他の人もそれに加わる。 随分と下ごしらえをしたごぼうを、筏のようにしてごま油で揚げてある。 中のごぼうはとても柔らかくて、Tさんのおっしゃるようにごぼうではないような感触です。 それに、この筏ごぼう、初めて出会う味です。 ともかく、北さんはこの「筏ごぼう」が大好物のようです。 順々に出される流れる中で、この一品は実に変化があっていい具合だ。 ■煮しめ:たけのこ 大徳寺麩 わらび 独活 はじかみ さくら麩 擬製豆腐 ゆば これには食べる順番があるんだろうか? Yさん「自分の所有物になったら好きにすればいいんです。どれから食べようかと迷う楽しみがまたいいんですよ」 ここから話が広がって、お弁当の話、味付けの話、 やがてフランス料理へと進んで世界展開。 残念ながらこの部分少々長いので割愛。 |
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煮しめ:たけのこ 大徳寺麩 わらび 独活 はじかみ さくら麩 擬製豆腐 ゆば |
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八寸:ゆべし 岩たけ ゆばしんじょ 木の芽味噌 |
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汁:白味噌仕立て ちくわどうふ 庄内麩 みつば |
飯:豆ご飯 |
■汁:白味噌仕立て ちくわどうふ 庄内麩 みつば ■飯:豆ご飯 ■香の物:大根 赤かぶ なすびの粕漬け しば漬け いよいよ、北さんの楽しみにしていた おつけもんが登場・・・・ 「いくらおいしいもん食べても、最後におつけもんを食べんと、食べた気がしません。 そやから、おつけもんはたっぷ りとないとあきまへん」と津田さん。 |
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湯桶 |
■湯桶 ■菓子:桜きんとんと抹茶 おこげご飯の入ったこの最後のお茶漬けも 香ばしい味で最高だ。 これは、お釜で炊いたときにできるおこげだ。 懐かしい・・・。 私は、おくどさんでご飯を炊いていた 母親や祖母の姿を思いだした。 結局、私はこのお茶漬けを2杯いただいた。 さて皆さんはというと・・・ Mさんは、エベレスト登頂を果たしたような 達成感のある表情。 Yさんは、また新しい世界を発見したような面持ち。 Tさんは、食の奥深さに改めて感心したご様子。 |
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菓子: 桜きんとんと抹茶 |
嵯峨一久さんは、すべて予約が必要なんですね・・・ 「作り置きはありませんねん。予約のお客さんのためだけにつくります」 嵯峨一久さんの歴史は400年とのことですが・・・ 「店の歴史なんかは関係あらしません。今がすべてですわ。自分がうまいと思うものをつくる、それを当たり前にやっ ているだけです」 とご主人の津田さん。 ・・・・謙虚な姿勢に言葉を失った。 |
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