おもてなしで料理を楽しむ 「梨吉」 りきち
|
|||||||||||||||||
祇園 「梨吉」 | |||||||||||||||||
祇園の末吉町を縄手通りから東に入って二筋目の細い小路を少し下がったところに「梨吉」がある。祇園の真中に、昭和58年11月「梨吉」が誕生した。大将の平岡修一さんがお嬢さんの名前「佑梨」の一字をとって、「梨吉」と名づけた。大将は祇園「ちんみや」の子息で、生粋の京都人であり、大学卒業後、「川上」「鳥居本」の高級料理店で6年半修行を積み、29歳でこの店を開いた。それから18年、この祇園で質のいい料理とあたたかいもてなしで、着実に「梨吉」の名を広め高めてきた。 |
|||||||||||||||||
料理は水が基本・・・ | |||||||||||||||||
「料理というのは、おいしくなければあかん。おいしいというのはどういう事かいつも追求する。薄味でおいしいとよく言うが、材料が良くてもおいしい味がついていないと」・・・そう考える梨吉の、旨さの原点は「水」である。この祇園あたりは、比叡山に水脈をもつ地下水が流れていて、わざわざ井戸を掘り「地下水」を引いている。その「地下水」を使ってとったダシを、あらゆる料理の味の基本にしている。「梨吉にとってこの水が命であり、この水がなければ商売はしていない」と大将は言い切る。「梨吉」の料理がなぜ旨いのか本当に納得する話である。 材料の仕入れは、長年つきあいのある業者に限っている。いい業者のすすめる素材を信じて仕入れることにより、自然と信頼関係を築き、さらにより良い材料を手にすることができる。ここにも大将の人間味が感じられる。 |
|||||||||||||||||
「梨吉」のお料理 | |||||||||||||||||
献立は季節によって変わり、春のメニューでは、先付け(一寸豆、いいだこ、あわ麩田楽、竹の子の煮物、白魚のから揚げ、半熟卵、ぬた)が八寸で出される。カウンター席では、この先付けが一皿ごとに出され、それぞれ視覚で楽しみながら、味わうことができる。さらに汲み上げ湯葉のゆばあえを賞味できる。貝柱と数の子の上に湯葉をかけ、菜の花、海老、水前寺海苔が添えてあり、数の子の歯ごたえと貝柱の味が湯葉の薄味で程よくまとまっている。他に、めばるの煮付け、造りではいか、えび、あぶらめなど旬の味が楽しめる。そして椀は若竹汁。濁りのない透明なおつゆは、上等なかつおと昆布の風味を、きちんと感じることができる絶品。焼き物は目板鰈(めいたがれい)、あげ物ではあぶらめの揚げ物と、季節の素材のもつ旨さが梨吉のダシでより高められる。蒸し物の南禅寺蒸しは、しいたけとそばの実をくるんだ湯葉が、極上の茶碗蒸の中に置かれた、梨吉独自の味。 |
|||||||||||||||||
【地図】
|
-
京都のグルメ「食べる」
-
京都のグルメ「呑む」