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 迷路のような細い路地の奥、祗園情緒を漂わせる小さな店が向かい合って並ぶ。その一軒が割烹の店「梨吉」。暖簾の掛かる入り口の戸を開けて中に入ると、目の前にもう一つの扉がある。外気の暑さ寒さを遮断するための工夫だが、客はここでひと呼吸し、余裕を持って中に入れる。まず目につくのがちょっと低めのカウンターだ。実に座り心地が心地よく、席の後ろもスペースもゆったりとしていてくつろげる。「お客様を見下ろしては失礼なので、同じ目線になるように」と厨房は一段低くするなど、細やかなもてなしの心が伝わってくる。
 ご主人は、おにぎりのおいしさでも有名な向い側の「ちんみや」の息子さん。「鳥居本」など京の有名な老舗料理店で修業後、店を開いた。
 季節替わりの献立は8,000円~。この季節は美しく盛りつけられた先付けに小かぶらあんかけ天然シメジ添え、宝楽焼き(写真)といった料理が楽しめる。「何といっても料理は水」とご主人。この辺りは良質の井戸水が湧く。その水と旬の素材を使った割烹がこの店の魅力のひとつ。ご主人の華麗な包丁さばきと丁寧な下ごしらえ・仕上げも見事でつい見とれてしまう。
 奥には座敷があり、なみなみと水があふれる手水鉢も情緒ある坪庭を眺めながらのひとときも、お酒がすすみそうだ。
 

 



 DATA
京都市東山区祇園末吉町95
TEL 075-531~2421・1231
時間 12時~14時(前日までに予約の方のみ)
17時~21時、/日曜・祝日定休