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 材木商だった初代が昭和39年、茶屋の建物を改造して開いた京料理の店。いわば花見小路での京料理店の魁ともいうべき存在だ。店内に入ると右手、ガラス戸の向こうがカウンター席。檜の一枚板を使った分厚いカウンターが重厚な雰囲気をかもし出している。一見敷居が高そうだが、お昼なら小鉢、お造り、焚合せ、焼き物に赤出し、ご飯が付いたお昼ごはんが3500円とお値打ち価格。これが口コミで評判を呼び、昼どきはグループなどの女性客でいっぱいになる。夜の京懐石は8000円~。明石から届くカレイ・ハモ・タイなど新鮮な瀬戸内の魚介を使った本格的な京料理が味わえるとあって,昔ながらの常連さんも多い。創業以来の名物のひとつ“めいたかれい"の唐揚げをはじめこだわりの一品料理もそろう。10月末からはてっちりなどの鍋物やふぐ料理コース1万2000円~も登場。二階の粋な造りの座敷でゆっくり味わえる。
 
 DATA
東山区花見小路四条南200m 祇園歌舞練場すじ向かい
TEL 075-525-0115
時間 12時~13時/日曜定休

 




 
『杢兵衛』に入ろうとして誰もが気づくのが玄関脇の“四条小橋”。「四条小橋って高瀬川に架かる橋だったよね」と不思議に思って聞いてみると、確かに本物でした! 実はこれ、明治8年の架け替え小路で不要になった古い橋を、市が競売に出したもの。それを買ったのが骨董や美術品などに造詣の深いこの店の初代だった。橋は、店前の花見小路が石畳の道になってからは一層辺りの景色に溶け込んでいる。ちなみに同店には初代の集めた巨大な清水焼の土瓶や有名な画家の絵などもあるので、料理を味わいながらそっと観賞させていただこう!